【原材料準備工程】
三軸組織の場合、通常の経糸と緯糸の柄織り物と異なり、斜め:斜め:経ての3方向の組み糸の動きでだけで、柄粋と風合いを表現するため、原材料の質やこだわりが製品の品質と仕上がりに大きな影響を及ぼしますので、大変重要な工程になります。
【製織準備と製織工程】
三軸組織は、当社だけが保有する世界に2台しか現存しない大型環状織機によって製織をいたします。それだけに、特殊な方法や独自な製法をとりながら製織工程までの準備をし、織り上げていきます。
■製図制作
一般的に西陣織等の織物では、方眼紙に図案の柄を写し取り描いて行きますが、三軸組織は組み糸の動きと重なりで表現するため、絵柄ではなく組み糸の動かし方を方眼紙に書き製図化していきます。
一般的な織物と異なるところは、図案化された絵柄を書き写すのではなく、組み糸の重なりを製図化するため、頭の中で色の重なり具合をイメージしながら書く必要があるため、長年の経験をようする作業になります。写真にあるように方眼紙の升目の1つ1つを、根気よく塗りつぶしていきます。柄にもよりますが、1つの柄パターンに作成する製図の長さは、2メートル以上の長さになる事もあります。非常に根気と集中力が必要な工程になります。
■三軸組織の製織作業
様々な原材料準備工程と製織準備工程を経て、漸く「三軸組織」の製織工程に入ります。「三軸組織」は、世界に2台のみとなってしまった大型環状織機で織り上げていきます。
大型環状織機は、特殊な織機であり、製織作業においては非常にデリケートな操作が必要になります。
360度全方向に約200キログラムのテンションを均等に掛けながら、斜め方向に組み糸を動かしながら組み上げていきます。微妙なテンションのズレや傾きが、糸切れや緩み、ヒケの発生につながり不良品の原因になります。
そのため、織りが始まると糸切れや緩み、埃や小さなゴミなどが付着していないかを職人たちは付きっきりで監視、チェックしています。三軸組織は、大型環状織機といわれる織機によって織り上げますが、ベテラン織り職人たちの確かな「手」と「目」と「耳」が入ることによって高い品質が保たれております。
織り上がった三軸組織は、皺になりにくく緩み難いという特徴があり、また組み織物特有の光の反射角による光沢を醸し出します。帯地、服飾テキスタイルの最高級素材として高い市場評価を得ております。