三軸組織@ SANJIKU-KUMIORI

三軸組織とは

悠久の神秘さが漂う織物

「三軸組織®」は、千年以上前、京都において誕生したと伝えられる「京くみひも」の技術と、イタリアのトーションレースの技法との融合によって生まれた織物です。「三軸組織®」は「組み」という”技”を起源としており、その技法は、遥か奈良の時代に大陸より伝わり、経典を保管する組紐や貴族の正装の装飾品に用いられておりました。それらの品々は、現在も正倉院や法隆寺の宝物館、安芸ノ宮島厳島神社等に大切に収蔵されております。
「三軸組織®」は、真っすぐな”たて糸”に対して、二方向からの”たて糸”が斜め四十五度の角度で交差するという複雑な技法で織り上げられる織物です。
その特徴は、斜め組織により緩まず、シワにもなりにくく、複雑に交差した糸によって光の屈折が生まれ、独特の光沢を放ちます。また、多彩な色糸を使用することで、微妙なグラデーションを表現できることも特徴です。「三軸組織®」は当社の登録商標であり、当社が保有する「大型環状織機」によって製織される希少な織物です。

Commentary

三軸組織の構成要素

Commentary

三軸組織の構造解説

■編む

経糸同士を絡み合わせて編む

■織る

斜め二方向からの経糸同士を45度の角度で斜めに交差させ組む

■組む

斜め二方向からの経糸同士を45度の角度で斜めに交差させ組む
斜め二方向からの経糸と真っ直ぐな軸糸、三方向の糸を交差させて組み上げる

Commentary

三軸組織の構造拡大図

大型環状織機

世界に2台しか存在しない織機

■大型環状織機の特徴

大型環状織機は、直径約5メートル 高さ約5メートルの巨大な織機です。組糸の玉数は240個、軸糸の玉数も240個を使用いたします。
約5,000本の糸数と約200kgの重りを使用して、30センチ~40センチ巾の生地を組み上げます。通常の織物では、経糸に縦方向のみに約10kgまでのテンションをかけて織り上げるのに対して、三軸組織は円形織機であるため360度全方向に約200kgのテンションを均一にかけながら組み上げていきます。それによって、全方向に対する伸縮性が生まれて、帯地として緩みにくい特徴を持っております。

■大型環状織機による製織

通常の織物は、経糸・緯糸がそれぞれ平行かつ直角に織り込まれているのに対し、三軸組織は経て斜め斜めと3方向に様々な糸の動きで組み込まれているため、皺(しわ)になり難い特徴を持っております。更に、糸を斜めに動かす組紐の技法で織られている為、通常の織物にある経糸の整経や緯糸の管巻等の作業ではなく、経尺(へじゃく)とよばれる準備工程が必要になります。
240玉の組糸を合糸してボビンに巻く時には、3本に撚られた正絹糸を約10本合糸し、更にそれぞれの正絹糸に均一にテンションをかけ合糸します。斜めの動きにも糸がバラつかない様にしなければなりませんの、撚りを掛け、その上各ボビンに巻く糸量を均一になるよう計測しながら巻く必要があります。また、240玉の軸糸は、3本に撚られた正絹糸に繋ぎ目や結び目があると難物になるため、その都度確認し節や結びを除去しながら組み上げなければなりません。

■製織作業の環境

三軸組織の技法は斜め織りであるため、糸を斜めに動かすときの摩擦と、斜めの組目に対し縦方向に打ち込む時の糸に対する抵抗が大きくなります。そのことが、製織作動におけるトラブルを引き起こす要因となります。そうしたトラブルへの対策として、京都でも霧が多いことで有名な亀岡を生産地として選び、湿度の高い環境下で製織作業を行っております。また、糸の撚りにも拘りを持って製織を行っております。

■大型環状織機誕生エピソード

「大型環状織機」は、約50年前に京都西陣の先人が正倉院に残る組み帯を、現在の約30センチ以上の帯巾で復元することを目的として開発いたしました。主に、帯地を製織することを使命とし設計されており、帯地にとって必要な特性を全て兼ね備えた生地を織り上げることができる「理」にかなった構造をしております。当時の織機製造技術の粋を結集して製造されました。
当初6台の「大型環状織機」が製造されましたが、現在は可動する機械としては、当社が保有する2台のみとなりました。既に廃棄となった4台の部品も当社が引き取り大切に保管しておりますが、専門の機械メーカーも無く、故障した場合の部品調達も困難な状況です。また「大型環状織機」の操作技術を継承する人材の育成についても喫緊の課題となってきております。「大型環状織機」は、日本の織物産業発展の足跡を証明できる貴重な歴史的遺産としての価値を持っており、何としてでも維持し後世に伝えていかなければならないと考えております。

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